アロマンティックの特徴

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アロマンティックは、冒頭でも挙げた通り「他者に対して恋愛感情を持たない人」のことを指します。レズビアンやゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー(いわゆるLGBT)と同じようなセクシャリティの1つです。一般的には、自分好みの異性が身近にいると、恋愛対象としてその人を意識するようになりますよね。友達や同僚、先輩後輩といった関係の「好き」とは違う関係を築きたいと思い始めます。しかし、アロマンティックの場合はこういった「特別な関係になりたい」といった感情が湧かないのです。

 

アロマンティックの主な特徴

① 他者に対して恋愛感情を持たない

② 他者から恋愛感情を向けられることにも嫌悪感を抱く

③ 恋愛映画や恋愛ドラマなども全く共感できない

④ 性的欲求を抱くことはあり得る

 

アロマンティックの人口統計
分類 人口割合
完全なアロマンティック・アセクシュアル 人口の1~3%
軽度のアロマンティック
(「人を好きになったことがない」「あえて恋愛をしたいと思わない」等の価値観を持つ人)
人口の2~3割(20~30%)
若年層での割合 特に多く、現代では一般的な特性

 

完全なアロマンティックやアセクシュアルは人口の1~3%と言われていますが、「人を好きになったことがない」「あえて恋愛をしたいと思わない」等の価値観を持つ人は2~3割いることから、軽度のアロマンティックは非常に多いと思われます。特に若年層はこの価値観を持つ人の割合も多く、現代では一般的な特性と言えるでしょう。

 

①他者に対して恋愛感情を持たない

アロマンティックの最も基本的な特徴は、他者に対して恋愛感情を持たないことです。一般的な人であれば、自分好みの異性が身近にいると、恋愛対象としてその人を意識するようになります。友達や同僚、先輩後輩といった関係の「好き」とは違う関係を築きたいと思い始めます。しかし、アロマンティックの場合はこういった「特別な関係になりたい」といった感情が湧かないのです。

 

一般的な人とアロマンティックの違い
場面 一般的な人 アロマンティック
自分好みの異性が身近にいる 恋愛対象として意識する、特別な関係を築きたいと思う 恋愛感情が湧かない、特別な関係になりたいという感情がない
友人関係 友人としての「好き」と恋愛としての「好き」を区別できる 友人としての「好き」のみ、恋愛としての「好き」を感じない

 

②他者から恋愛感情を向けられることにも嫌悪感を抱く

また、自分から恋愛感情を抱くことがないだけでなく、「他者から恋愛感情を向けられること」に対しても嫌悪感を抱く傾向にあります。例えば同世代の人たちとの雑談で恋の話になったりすることはごく自然なことですが、アロマンティックであると、そういった話をすることはもちろん、聞いているだけでも不快感を感じるようになります。無理をして話を合わせてしまう人もいますが、非常に大きなストレスとなってしまうのです。

 

他者から恋愛感情を向けられることへの反応

【アロマンティックの反応】

✗ 他者から恋愛感情を向けられることに嫌悪感を抱く

✗ 恋の話をすることに不快感を感じる

✗ 恋の話を聞いているだけでも不快感を感じる

✗ 無理をして話を合わせると非常に大きなストレスになる

【対処法】

✓ 無理をして話を合わせない、自分の気持ちを大切にする

✓ 理解してくれる人とだけ話す、ストレスを感じる場面を避ける

✓ カミングアウトして理解を求める(可能な場合)

 

③恋愛映画や恋愛ドラマなども全く共感できない

世間で流行っている恋愛映画やドラマがあったとします。一般的な人であれば、男女それぞれの恋心に共感をし感情移入することができるので、物語にのめり込むことが可能です。しかし、アロマンティックの特性を持った人たちは、これらの恋心にまったく共感することができないので、物語に感動することもないのです。

 

大好きな漫画やアニメ、映画、ドラマがあったとしても、その物語の中に恋愛要素が入るだけで、その部分は興味が薄れます。たとえ自分が大好きなキャラクターだったとしても、恋愛の話になった途端に感情移入できなくなってしまうのです。

 

アロマンティックとエンターテインメント
作品の種類 アロマンティックの反応
恋愛映画・ドラマ 恋心に共感できない、物語に感動しない、感情移入できない
恋愛要素が入る作品 恋愛要素が入るだけで興味が薄れる、恋愛の話になった途端に感情移入できなくなる
恋愛要素がない作品 楽しめる、感情移入できる、物語にのめり込むことができる

 

④性的欲求を抱くことはあり得る

他者に対して恋愛感情は抱かないものの、性的欲求を感じることがあるのもアロマンティックの特徴の1つです。それゆえに、恋人は作らないのですが、肉体関係だけの相手を作ることは十分にありえるのです。

 

アロマンティックと性的欲求

【アロマンティックの特徴】

✓ 他者に対して恋愛感情は抱かない

✓ 性的欲求を感じることがある

✓ 恋人は作らない

✓ 肉体関係だけの相手を作ることは十分にありえる

【アロマンティックとアセクシュアルの違い】

✓ アロマンティック:恋愛感情はないが、性的欲求はある

✓ アセクシュアル:恋愛感情も性的欲求もない

 

 

アセクシュアルの特徴

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アセクシュアルとは、冒頭でも挙げた通り「他者に性的な興奮を抱かない人」のことを指す言葉です。日本語では「無性愛」と表現されることが多いです。似たような言葉に「ノンセクシュアル」といったものがありますが、これは似て非なるものです。ノンセクシュアルは、「恋愛感情は抱くが性的欲求は抱かない」ことなのです。アセクシュアルの場合は、恋愛感情を抱くこともありませんし、性的な感情や欲求を持つこともありません。

 

アセクシュアルの主な特徴

① 他者に性的な興奮を抱かない

② 恋愛感情を抱くこともない

③ 喜怒哀楽は一般的な人と同じように持ち合わせている

④ 友情や愛情など、「大切な人」を作ることができる

 

アセクシュアルとノンセクシュアルの違い
項目 アセクシュアル ノンセクシュアル
恋愛感情 抱かない 抱く
性的欲求 抱かない 抱かない
性的な感情 持たない 持たない

 

①他者に性的な興奮を抱かない

アセクシュアルの最も基本的な特徴は、他者に性的な興奮を抱かないことです。アセクシュアルの場合は、恋愛感情を抱くこともありませんし、性的な感情や欲求を持つこともありません。これにより、一般的な人とは異なるセクシュアリティを持っていると言えます。

 

②恋愛感情を抱くこともない

アセクシュアルは、恋愛感情を抱くこともありません。アロマンティックと同様に、他者に対して恋愛感情を持たないという特徴があります。これにより、アセクシュアルは、恋愛感情も性的欲求も持たない、完全に無性愛であると言えます。

 

③喜怒哀楽は一般的な人と同じように持ち合わせている

恋愛に対する欲求も性的欲求もないと聞くと、非常にドライな人間であるように思えますよね。しかし、決してそんなことはなく、アセクシュアルの人も一般的な人と同じように喜怒哀楽の感情があるため、日常生活で人間関係に問題が生じるようなことはありません。

 

アセクシュアルの感情について

【アセクシュアルが持つ感情】

✓ 喜怒哀楽の感情(一般的な人と同じ)

✓ 友情や愛情などの感情

✓ 日常生活での人間関係に問題はない

✓ 決してドライな人間ではない

【アセクシュアルが持たない感情】

✗ 恋愛感情

✗ 性的欲求・性的な感情

 

④友情や愛情など、「大切な人」を作ることができる

アセクシュアルの人は、一般的な喜怒哀楽があるだけではありません。大切な友人との友情や愛しい気持ちが芽生える愛情などを感じることもできます。それゆえに、「結婚願望」を持つ人も多いと考えられています。恋愛と結婚は延長線上に考えられることもありますが、実は全く別なものです。パートナーとして人生を共に歩んでいく場合には、恋愛感情はまったく必要なく、「大切にしたい」という愛情があれば十分なのです。

 

アセクシュアルと人間関係
関係性 アセクシュアルの感情
友情 大切な友人との友情を感じることができる
愛情 愛しい気持ちが芽生える愛情を感じることができる
結婚 結婚願望を持つ人も多い、「大切にしたい」という愛情があれば十分
パートナー 恋愛感情は必要なく、「大切にしたい」という愛情があれば十分

 

 

アロマンティック・アセクシュアルの恋愛。現在社会では"生きづらさ"は無い(田舎は除く)。

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アロマンティック・アセクシュアルは現代では一般的で珍しくもありません。時代遅れで封建的な田舎社会なら辛いかもしれませんが、都会であればアロマンティック・アセクシュアルであっても"生きづらさ"を感じることはありません。東京では多様な生き方が認められていますので、自分に合った相手を見つけて自分に合った人間関係を作ることが出来るのです。

 

都会と田舎でのアロマンティック・アセクシュアルの生きやすさ
環境 アロマンティック・アセクシュアルの生きやすさ
都会(東京など) 生きづらさを感じない、多様な生き方が認められている、自分に合った相手を見つけられる、自分に合った人間関係を作れる
田舎 時代遅れで封建的な社会、辛い、生きづらさを感じる可能性がある

 

私はスキゾイドなのですが、スキゾイドにはアロマンティック・アセクシュアルが非常に多いです。ちなみに私はスキゾイドでアロマンティックですが、都会で自由な恋愛を楽しんでいます(詳細は以下記事など)。スキゾイドにとって都会は非常に生きやすいです。

スキゾイドの事実婚活

一人が好きを生かす恋愛

 

アロマンティック・アセクシュアルでも約半数の人はパートナーを望んでいる

かなり意外なデータだが、「アロマンティック・アセクシュアル・スペクトラム調査2020」では、約半数の人がパートナーを望んでいると答えている。もちろん、このデータは恋愛感情もなく、性的な感情を抱かないパートナーを指すわけだが、やはり人間は1人では寂しさや不安感を感じてしまうということだろう。

 

アロマンティック・アセクシュアルのパートナーへの希望(調査データ)
希望 割合・説明
パートナーを望んでいる 約50%(恋愛感情もなく、性的な感情を抱かないパートナー)
パートナーを望まない
(1人で生きていく)
約20%(1人の方が気楽、パートナーがいることで逆にストレスを感じる)
パートナーはいらないがグループを望む 約15%(コミュニティに属しているというだけでも安心感が変わる)

 

その逆に、「1人で生きていく」という意思を持つ、パートナーを望まない人は約20%程度で、それほど多くない結果となっています。1人の方が気楽であると感じていたり、パートナーがいることで逆にストレスを感じてしまう人は、それほど多くないということになります。また、それ以外にも、「パートナーはいらないがグループを望む」といった人も約15%程度存在します。「コミュニティに属している」というだけでも、安心感はかなり変わってくるはずです。パートナーの必要性を感じない人も、グループとしての繋がりを求めている人は一定数存在するということになります。

 

もしも周囲の人がアロマンティック・アセクシュアルであったならば

自分自身がもしもアロマンティック・アセクシュアルであったならば、「隠したい」と考えてしまう人もいることでしょう。しかし、現代ではLGBTのようなセクシュアリティの認知度が高まっていますし、それを肯定し共存する社会が広がりつつあります。それゆえに、近しい人にはその特性を放しておいても良いかもしれません。

 

アロマンティック・アセクシュアルのカミングアウトについて

【カミングアウトのメリット】

✓ 現代ではLGBTのようなセクシュアリティの認知度が高まっている

✓ それを肯定し共存する社会が広がりつつある

✓ 近しい人にはその特性を放しておいても良い

✓ 理解してくれる人とだけ話すことでストレスを軽減できる

【カミングアウトの注意点】

✗ まだまだ偏見を持つ人もいる

✗ すべての人にカミングアウトしてしまうと傷つくこともあり得る

✓ 理解してくれそうな柔軟性の高い思考を持つ人から打ち明ける

✓ 少しずつ暮らしやすい環境を作っていくことが重要

 

もちろん、まだまだ偏見を持つ人もいるので、すべての人にカミングアウトしてしまうと傷つくこともあり得ます。理解してくれそうな柔軟性の高い思考を持つ人から打ち明け、少しずつ暮らしやすい環境を作っていくことが重要だと言えるでしょう。

 

周囲の人がアロマンティック・アセクシュアルである場合の対応

【適切な対応】

✓ 誰よりも理解し尊重してあげる

✓ あくまでも1つの個性として捉える

✓ 決して異質なものとして捉えない

✓ その人を理解し、それまでと変わらずに接する

✓ 最高の対応であると言える

【避けるべき対応】

✗ 異質なものとして捉える

✗ 偏見を持って接する

✗ それまでと違う接し方をする

 

また、もしも自身はアロマンティック・アセクシュアルではなく、周囲の人がそういった特性を持っているならば、誰よりも理解し尊重してあげましょう。あくまでも1つの個性であり、決して異質なものとして捉える必要はありません。その人を理解し、それまでと変わらずに接することこそ、最高の対応であると言えるでしょう。

 

まとめ:アロマンティック・アセクシュアルの特徴

以上です。今回は、「アロマンティック・アセクシュアルの特徴」について解説してきました。

 

アロマンティック・アセクシュアルの主な特徴(まとめ)

【アロマンティック】

✓ 他者に対して恋愛感情を持たない

✓ 他者から恋愛感情を向けられることにも嫌悪感を抱く

✓ 恋愛映画や恋愛ドラマなども全く共感できない

✓ 性的欲求を抱くことはあり得る

【アセクシュアル】

✓ 他者に性的な興奮を抱かない

✓ 恋愛感情を抱くこともない

✓ 喜怒哀楽は一般的な人と同じように持ち合わせている

✓ 友情や愛情など、「大切な人」を作ることができる

 

この2つの大きな特徴だけでも知っておくと、周囲にそういった特性を持つ人が現れた時に理解してあげることができるはずです。今後徐々にセクシュアリティの違いに対する偏見は少なくなっていくはずなので、今からしっかりと理解しておきましょう。